人を育てる機能をどこが担うか

2011.12.09

就職と採用の問題を解決するためには、どうすればいいのだろうか。就職と採用の問題とは、その本質を考えてみると、社会の中において「誰が人を育てる機能を担うのか」という問題であることがわかる。終身雇用に代表される、企業が内部で人を育成することが基本になっていた時代の日本社会では、大まかに言って、次世代の人材を育てる機能は企業(官庁なども含む)が担っていたと言っていいだろう。第二次大戦に負けた時点で、日本社会には世界経済の中で競争していくための人材が圧倒的に足りなかったから、企業は競争に勝つために内部で人を育てざるを得なかった。

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とにかくできるだけ素質のよさそうな人を採用し、仕事のことは企業がゼロから教える。そして新卒採用から定年までずっと同じ企業内の世界で生きる。そうすることで企業が競争するためのコツやノウハウを社内に蓄積し、伝承し、高度化していって競争に勝ってきた。この戦略は基本的に成功だった。しかし、この戦略には大きな代償があった。それは社会の中において「人を育てる」という機能を企業が一手に引き受け、周囲もそれを当然であると考えるようになってしまったことだ。つまり、人を育てるのは会社の役割であり、家庭も本人も大学も、会社に入りさえすれば、あとは会社がなんとか社会に貢献できる人に育ててくれると思ってしまったのである。こうした状況が半世紀近くも続いたため、日本社会では二世代ぐらいにわたって「企業が人を育てる」ことを前提にした思考パターンや行動様式が染みついてしまい、容易には抜けなくなっている。





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