やりたい仕事があって転職したんじゃなくて、名前だけで入ったから、実際に働いてみると、ぜんぜん面白くないんです。前の会社は小さいですが、それだけに自分に任される仕事の大きさもあって、やりがいも感じられました。自分の存在意義がはっきりしてたんです。でも、大組織の中に入ってしまうと何となく自分が見えなくなってきてしまって……。自分の性格にまったく向いてなかったですね。明らかに失敗でした」Eさんは、自分に向いているところは大企業ではなく、自分のポジションを確かに感じられる小所帯の企業だということが、やっとわかったのである。
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そこで我々はEさんにいくつかの企業を紹介した。前にいた会社が有名企業であり、Eさんの意気込みも一度会社選びに失敗しているだけに、迫力満点である。熱意が痛いほど相手に伝わったようで、転職活動はさほど難しくはなかった。間もなくして、有名ではないがその業界では評判のいい専門商社に転職することができたEさんなのである。転職先が決まった後、我々はふと、数年後の同窓会はどうするのか、と聞いてみた。「もちろん同窓会は行きますよ。もういいんです。どこに勤めようが、そんなのは関係ないんです。どれだけ自分か生き生きと仕事をしてるかなんです。今ごろ気づくのは遅すぎるんですが、今は自信をもってそう言えるようになりました。逆に、二年後どれだけのヤツが生き生きと仕事しているか聞いてやりますよ」Eさんの心意気を応援しつつも、まあ、あんまり他人を意識しない方がいいのでは、とついつい釘を刺してしまった我々なのである。