2010年卒の大卒・大学院卒の新卒採用見通しをリクルートワークス研究所で調査したところ、総求人数は72・5万人で、求人倍率は1・62倍となった。これは2009年卒の2・14倍という求人倍率よりは下降したが、過去の求人倍率のちょうど平均にあたる数字であり、十分高い求人倍率であると言ってよいだろう。いくつかの企業に2010年の新卒採用について方針を聞いてみたが、「もう、バブル後のように新卒採用をまったくやめるとか、ゼロに近いほど削減するということはしない」という回答が多かった。
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それは、過去に新卒採用を大幅に抑制したことで、組織の人員構成がくずれ、後輩の入ってこないバブル期採用の世代が成長の機会を逸してしまったことのダメージがいまなお大きく残っていて、当時の採用抑制を後悔しているという結果なのである。好況のときに大量採用を計画して、しかも採用基準を甘くして、片目をつぶって採用してしまったことの反省。その後に大幅に採用を抑制して、門戸をしめてしまったことの反省。その両方が企業人事に重くのしかかっている。90年代の終わり頃から、厳選採用とか安定採用とかという言葉が使われるようになったが、これはまさしくバブル前後の反省から来ているもので、採用基準は絶対に落とさない、そして毎年ほぼ同じ人数を採用していく、ということを意味している。そのような考えに至ったことがほんとうに今回の景気低迷でも維持されるのか注目していたが、大筋では「新卒は安定的に採る」ということが守られそうである。